2025年10月10日

こんにちは。
大田区のうみのいろ歯科矢口渡です。
40代・50代になると、「昔より歯が長く見える」「歯と歯の間にすき間ができた」と感じる方が増えてきます。鏡を見たときに「歯ぐきが下がってきたのでは?」と不安になった経験はありませんか?歯ぐきが下がると見た目の印象が老けて見えるだけでなく、知覚過敏やむし歯、歯周病などのリスクも高まります。そのため、放置してよいものではありません。
「加齢だから仕方ない」と諦めてしまう方も多いですが、実は歯ぐきが下がる原因には加齢以外にもはっきりとした理由があり、治療や改善が可能な場合があります。今回は、40代の方に多い歯ぐきが下がる原因と、今からでもできる対策についてご紹介します。
■原因① 歯周病による歯ぐきの後退

歯ぐきが下がる最大の原因は、やはり「歯周病」です。歯周病は歯を支えている骨や歯ぐきが炎症によって破壊される病気で、進行すると歯ぐきが下がり、歯が長く見えるようになります。歯周病は初期の段階では自覚症状がほとんどなく、40代で気が付いたときにはすでに進行しているケースが多く見られます。歯ぐきの腫れや出血、口臭などがある場合は要注意です。
【今からできること】
• 歯科医院での定期的な検診・クリーニング
• 専門的な歯周病治療(スケーリング・ルートプレーニングなど)
• 正しいブラッシング習慣の見直し
歯周病は「沈黙の病気」と呼ばれるほど気づきにくいですが、早期に対応すれば歯ぐきの後退を最小限に抑えることができます。
■原因② 歯列不正(歯並びの乱れ)による負担

歯並びが悪いと、特定の歯に強い力がかかりやすくなります。たとえば、前歯が出ていたり、歯の一部が斜めに生えていたりすると、その部分の歯ぐきに過度な負担がかかり、歯ぐきが下がりやすくなります。また、歯が重なっている部分は歯ブラシが届きにくいため、プラークや歯石がたまりやすく、結果的に歯周病を悪化させてしまいます。
【今からできること】
• 歯列矯正で噛み合わせを整える
• マウスピース矯正など、大人でも取り組みやすい方法を検討する
• 歯ブラシやフロスを工夫して清掃性を高める
「今さら矯正なんて…」と思われる方も少なくありませんが、40代・50代で矯正を始める方は増えています。見た目の改善だけでなく、歯ぐきや歯の健康寿命を延ばすことにもつながるのです。
■原因③ 食いしばり・歯ぎしりによる影響

無意識のうちに行っている食いしばりや歯ぎしりも、歯ぐきが下がる原因のひとつです。強い力が歯にかかると、歯を支える歯槽骨にダメージが蓄積され、歯ぐきが後退しやすくなります。
特に40代以降はストレスや日常習慣から無意識に食いしばりをしている方が多く、知らないうちに歯や歯ぐきに負担を与えているケースが少なくありません。
【今からできること】
• 就寝時のマウスピース(ナイトガード)の使用
• 歯科医院で噛み合わせをチェックしてもらう
• 日中の食いしばりに気づいたら意識的にリラックスする
歯ぐきだけでなく、歯の亀裂や欠け、顎関節症などのリスクを防ぐためにも、食いしばりへの対策は大切です。
■まとめ

40代・50代で歯ぐきが下がるのは、単なる加齢のせいだけではありません。原因ごとに適切な治療法や改善策があります。歯ぐきの後退は放置すると元には戻りませんが、進行を止めたり、見た目や機能を改善する治療は可能です。早めのケアが、将来の歯の健康と若々しい笑顔を守ることにつながります。
「もう歳だから仕方ない」と思わずに、ぜひ一度歯科医院でご相談ください。