2025年2月10日

こんにちは。
大田区のうみのいろ歯科矢口渡です。
日本人の平均寿命は世界でもトップクラスですが、「歯の寿命」についてはどうでしょうか?実は日本人の歯の寿命は短いと言われており、むし歯や歯周病が進行して歯を失う人が多いのが現状です。歯を失う原因のひとつに「1本の歯に治療ができる回数」が限られていることが挙げられます。今回は歯の寿命と治療回数の関係について解説し、歯を長持ちさせるためのポイントも紹介します。
■日本人の歯の寿命はどのくらい?

日本人が歯を失う平均年齢は50~60代と言われています。健康な永久歯が20歳前後で生え揃うことを考えると、わずか30~40年しかもたない計算です。この短い寿命の主な原因はむし歯や歯周病、さらには治療後のケア不足が考えられます。また、歯科治療の回数が増えるほど歯が脆くなり、寿命を縮めるリスクが高まります。
特にむし歯治療後に適切なメンテナンスを行わないケースが多く見受けられます。治療直後の歯は一見健康そうに見えても、実際には内部にわずかなダメージが残るため、放置するとさらなるトラブルを引き起こす可能性があります。こうした要因が積み重なり、日本人の歯の寿命を短くしているのです。
■1本の歯に治療ができる回数

歯科治療では、1本の歯に何度も治療を繰り返すことがあります。しかし、歯にダメージを与えない治療はありません。例えばむし歯の治療では歯を削り、詰め物や被せ物をしますが、削るたびに歯の質量が減少します。その結果歯の強度が弱まり、次の治療が必要になるまでの時間が短くなるのです。
また、被せ物や詰め物が外れたり二次う蝕(むし歯の再発)が発生するケースも多く、これを繰り返していくと最終的には抜歯に至ることも少なくありません。一般的に、1本の歯に治療ができる回数は3~5回程度と言われています。さらに、歯の根が細くなったり割れたりすると、インプラントや入れ歯といった選択肢を検討する段階に移行せざるを得なくなります。
■治療を繰り返すことのリスク

治療のたびに歯を削ると、神経に近づくため痛みやしみる症状が現れることがあります。さらに進行すると歯の神経を取り除く「根管治療」が必要になりますが、神経を失った歯は脆くなり、最終的には抜歯のリスクが高まります。また、治療後に適切なケアを行わない場合、詰め物や被せ物の隙間から細菌が侵入し、二次う蝕を引き起こす可能性も高くなります。これが繰り返されることで、歯の寿命がどんどん短くなってしまいます。
さらに、歯を失った場合はインプラントや入れ歯、ブリッジといった選択肢が必要になりますが、どれも天然歯のような感覚を完全に再現することは難しいのが現実です。そのため、自分の歯をできるだけ守ることが重要です。
■まとめ

「歯の寿命」は、私たち自身の行動次第で大きく変わります。1本の歯に治療ができる回数は限られているため、むし歯や歯周病を予防し、治療の回数を減らすことが歯を長持ちさせることにつながります。今ある歯を大切にし、一生自分の歯で食事を楽しめるよう、日々のケアと定期的な歯科受診を心がけましょう。
当院では、これらの原因を防ぐための予防治療から、治療が必要な場合の適切なケアまでトータルサポートを行っています。歯に関するお悩みがありましたら、ぜひお気軽にご相談ください。