2025年11月20日

こんにちは。
大田区のうみのいろ歯科矢口渡です。
歯を抜くとき、「抜いたあとはどうしよう」「このままにして大丈夫かな」と不安に感じる方は多いのではないでしょうか。実は、抜歯は“終わり”ではなく、“見直しのはじまり”です。歯を失ったあとのお口のバランスをそのままにしておくと、噛み合わせが乱れ、残っている歯への負担が増えることがあります。しかし、矯正治療をうまく取り入れることで、抜歯をきっかけに“噛める口”へと生まれ変わらせることができるのです。
今回は、抜歯と矯正の関係、そして噛み合わせを整えることの大切さについてお話しします。
■見た目が整っていても、噛むバランスが崩れていることがあります

鏡で見ると「歯並びは悪くない」と感じても、実際には奥歯しか噛んでいなかったり、前歯が先に当たって奥歯が浮いてしまっていたりすることがあります。このように噛めている場所が限られている状態では、食事のたびに一部の歯に負担が集中しやすくなります。その結果、歯の揺れ・知覚過敏・歯ぐきの腫れ・詰め物のトラブルなど、さまざまなお口の不調が起こることも。
さらに40代以降では、「最近歯が弱くなった」「噛むと痛い場所が増えた」と感じるケースも多く見られます。これは、噛み合わせのバランスが崩れたことによる負担の偏りが主な原因です。
もともと噛めている歯が少ないと、1本でも歯を失った際に残りの歯の負担が急に増え、次のトラブルが連鎖的に起こることがあります。こうした悪循環を防ぐためにも、抜歯をきっかけに噛み合わせ全体を見直すことが大切です。
■抜歯後こそチャンス!矯正で“噛める口”にリノベーション

抜歯は治療のゴールではなく、これからのお口のバランスを見直す大切な機会です。実は、抜歯でできたスペースを矯正治療に活かすことで、よりしっかり噛めるバランスの良いお口に整えることができます。
たとえば、インビザラインなどのマウスピース矯正では、抜歯によって生まれた空間を利用して歯を再配置し、全体の噛み合わせを調整することが可能です。
これにより、
- 奥歯でしっかり噛めるようになる
- 前歯の当たり方が安定し、歯への負担が減る
- 見た目のバランスも自然で美しくなる
といった機能面・審美面の両方にメリットが生まれます。
歯を失うことは誰にとっても惜しいことですが、視点を変えれば、お口をより良く整えるチャンスにもなります。
■矯正治療で整える「守るための噛み合わせ」

矯正は見た目のためだけでなく、歯を守るための治療でもあります。歯並びを整えることで磨きやすくなり、歯周病予防にもつながります。また、噛む力のかかり方が均等になり、歯や顎関節への負担を減らすことができます。
特に40代以降の方には、無理なく歯を動かせるインビザラインが適しています。透明なマウスピースで目立ちにくく、快適に治療を続けられます。
■まとめ:抜歯をきっかけに、これからの“噛む”を見直す

当院では、まず噛み合わせの状態を丁寧にチェックし、どの歯に負担がかかっているのかを写真などを用いてわかりやすくご説明しています。抜歯はネガティブに感じられがちですが、噛み合わせを整えることで「今ある歯でもっと噛める」ようになるチャンスにもなります。特に、噛める場所が限られている方ほど矯正治療の効果は大きく、歯の寿命を延ばすことにもつながります。
歯を失ったときこそ、“抜歯のタイミング=噛み合わせを整えるタイミング”。これからの人生を、より快適に噛めるお口で過ごしていきましょう。