2025年10月20日

こんにちは。
大田区のうみのいろ歯科矢口渡です。
40代・50代になると、「昔より歯が長く見える」「笑ったときに歯ぐきが気になる」と感じる方が増えてきます。実際に歯そのものが伸びるわけではありませんが、歯ぐきが下がることで相対的に歯が長く見えてしまうのです。多くの方が「年齢のせいだから仕方ない」と思いがちですが、実は加齢以外にも原因があり、改善の余地がある場合も少なくありません。今回は、歯が長く見える3つの主な原因と、今からできる改善方法について解説します。
■歯が長くなる原因① 歯周病

歯が長く見える最も大きな原因は「歯周病」です。歯周病は歯を支える骨や歯ぐきが細菌によって破壊されていく病気で、進行すると歯ぐきが下がり、歯が露出して長く見えます。
歯周病の怖いところは、初期の段階では痛みがなく、自覚症状に乏しい点です。歯ぐきの腫れや出血、口臭などに気づいたときにはすでに歯ぐきが下がり始めていることもあります。改善方法には、以下のようなことが挙げられます。
• 歯科医院での歯石除去や専門的クリーニング
• 歯周ポケット内の徹底的な洗浄
• 日常の正しいブラッシングとデンタルフロス習慣
歯周病は進行性の病気ですが、早めに対処すれば進行を止め、歯ぐきの健康を取り戻すことができます。
■歯が長くなる原因② 歯列不正(歯並びの乱れ)

歯並びの乱れも、歯が長く見える原因のひとつです。歯が重なっている部分や噛み合わせが偏っている部分では、特定の歯に負担が集中し、歯ぐきが下がりやすくなります。また、歯が重なっている場所は歯ブラシが届きにくいため、汚れが溜まりやすく歯周病のリスクが高まります。その結果、歯ぐきが下がりやすくなり、「一部の歯だけが長く見える」という状態が起こりやすいのです。改善方法には、以下のようなことが挙げられます。
• 矯正治療による噛み合わせの改善
• マウスピース矯正など、大人でも取り組みやすい方法の活用
• デンタルフロスやタフトブラシを使い、清掃性を高める
「大人になってから矯正は遅いのでは?」と思う方もいますが、40代・50代で矯正を始める方は少なくありません。歯並びを整えることで清掃性が向上し、歯ぐきが下がるリスクを減らすことができます。
■歯が長くなる原因③ 食いしばり・歯ぎしり

無意識に行っている「食いしばり」や「歯ぎしり」も歯ぐき後退の原因です。強い力が歯や歯槽骨に加わることで、歯を支えている骨がダメージを受け、結果的に歯ぐきが下がってしまいます。特に現代人はストレスや日常習慣から食いしばりをしているケースが多く、気づかないうちに歯や歯ぐきに負担をかけています。歯のすり減りや知覚過敏も、食いしばりのサインです。改善方法には、以下のようなことが挙げられます。
• 就寝時のマウスピース(ナイトガード)の使用
• 噛み合わせのチェックと調整
• 日中の食いしばりを意識的に避ける工夫(リラックス、姿勢改善など)
これらにより歯や歯ぐきへの過剰な負担を軽減し、進行を防ぐことができます。
■まとめ

40代・50代で歯が長く見えるのは、単なる加齢だけが原因ではありません。歯周病や歯列不正、歯ぎしりや食いしばりなどの原因がありますが、これらの要因を理解し、適切な治療や生活習慣の改善を行うことで、歯ぐきの健康を守り、見た目の若々しさを保つことができます。「歯が長くなってきた」と感じたときこそ、歯科医院に相談するタイミングです。早めのケアで、将来の歯の健康と自信のある笑顔を守りましょう。