2025年8月12日

こんにちは。
大田区のうみのいろ歯科矢口渡です。
近年、さまざまな種類の電動歯ブラシが登場し、家電量販店の売り場にもずらりと並んでいます。患者さんからも「電動歯ブラシにしたほうがいいですか?」「手動のままでも大丈夫ですか?」というご質問をよくいただきます。
そこで今回は、電動歯ブラシと手動歯ブラシ、それぞれのメリットと特徴、おすすめの活用法についてご紹介します。
■結局どちらがいいの?歯科医師の答えは「どちらでもOK」

結論から言うと、どちらが絶対に優れているということはありません。実際、歯科医師のあいだでも電動歯ブラシ派と手動歯ブラシ派で意見が分かれることもあります。それぞれにメリットと注意点があり、どちらも正しく使えば十分な清掃効果が得られるのです。大切なのは、自分のライフスタイルや口腔内の状態に合った方法で、きちんと磨けているかどうかということです。
■歯ブラシで落とせる汚れは約6割弱?

どんなに丁寧に歯を磨いても、歯ブラシだけで落とせる汚れは約60%程度です。歯と歯の間や、歯と歯ぐきの境目、奥歯の奥など、磨きにくい部位はどうしても磨き残しが出やすくなります。つまり、「電動だから完ぺき」「手動だから不十分」と単純に比較するのではなく、自分が使いやすく、しっかり当てられる道具を選ぶことが何よりも大切なのです。
■電動歯ブラシの特徴とメリット

電動歯ブラシは、振動や回転によって歯の表面の汚れを効率よく除去してくれます。なかでも音波ブラシや超音波ブラシは、手では再現できない高速の微細な動きをするため、短時間で一定の清掃効果が得られるというメリットがあります。さらに最近では、磨きすぎ防止の圧力センサー付きや、タイマー機能、スマホ連携で磨き方をチェックできるモデルなど、機能面でも充実しており、歯磨きが習慣化しやすいのも魅力です。
ただし、電動歯ブラシは“当てるだけでOK”と思い込みがちですが、実際は使い方を誤ると磨き残しが出たり、歯ぐきを傷つけてしまうこともあります。正しい角度や動かし方の指導を受けることが重要です。
■手動歯ブラシの特徴とメリット

一方で、手動の歯ブラシには細かい操作性や感覚的な調整がしやすいというメリットがあります。たとえば歯ぐきの状態に合わせてやさしく当てたり、奥歯の裏をしっかり磨いたりと、状況に応じて自分なりに工夫しやすいのが魅力です。
ただし、自己流のまま何年も磨いていると、癖や磨き残しが定着してしまうことも。特に磨いているつもりで奥歯や内側がうまく当たっていないケースも多く、注意が必要です。
■“電動+手動”のちょい足しケアもおすすめ

どちらか1本だけにこだわらず、電動と手動の使い分けという柔軟なアプローチもおすすめです。たとえば、夜の時間があるときには電動でじっくり丁寧に、朝は短時間でサッと手動で磨くといったスタイルも、忙しい現代人にはぴったりです。また、「歯の表面は電動で」「細かい部分は手動で仕上げ磨き」といった組み合わせによる“ちょい足しケア”も効果的でしょう。
■オーラルケアグッズの併用も忘れずに

歯ブラシだけで落とせる汚れは限られているからこそ、歯間ブラシやデンタルフロス、タフトブラシなどの補助的なケア用品を併用することが、お口の健康を守るカギになります。「どんなケア用品を使えばいいのかわからない」「うまく使いこなせない」という方は、歯科医院でご自身のお口に合ったケア方法をぜひご相談ください。
オーラルケアグッズについては、こちらの記事もぜひご参照ください。
■まとめ

電動歯ブラシと手動歯ブラシ、どちらがいいかという議論は尽きませんが、どちらにも得意な分野と工夫すべき点があります。大切なのは、どちらか一方に偏らず、自分に合った方法で、しっかりプラークを落とせているかどうかを見極めることです。
「自分はちゃんと磨けているのか不安…」「どの歯ブラシが合っているのかわからない」という場合は、当院で磨き残しチェックやブラッシング指導を受けてみませんか?お一人おひとりに合った磨き方や道具選びを、プロの視点から丁寧にアドバイスいたします。歯磨きは毎日のことだからこそ、正しい方法を身につけて、今ある歯を一緒に守っていきましょう。